ポンコツエンジニアの読書記録。

30代のポンコツプラントエンジニアです。読書記録をつけることで、知識の定着を目論んでいます。

#2 紛争地の看護師 ; 紛争現場の最前線

2010年から国境なき医師団に参加され紛争地帯の最前線で活躍されている方の本です。

 

取り繕った言葉ではなく、ありのまま感じたことが書かれていて臨場感というか生々しいです。どんなに厳しい生活環境、見ることも辛いであろう患者、その国が抱えているジレンマを真っ直ぐ見て伝えてくれます。

 

本のメインは派遣した各国で見た、感じた実情を伝えていますが、キャリアを目指し、踏み出すところから、彼女の思いの強さが伝わって来ます。

心理カウンセリングを受けないほど心をすり減らして帰国したにも関わらず、再度オファーが来たら、逃げることなく、赴任し困難に立ち向かう姿勢は見習わないといけないですね。

 

また、彼女の姿勢だけでなく、医療に従事する現地スタッフの根性にも脱帽です。

 地響きが落ち着き、顔を上げた。体全体が心臓になってしまったかのように、大きな拍動が体中を波打っていた。顔を上げた私が目にしたものは、表情一つ変えていない外科医と麻酔科医だった。何事もなかったかのように手術を続けている。

これだけの気概を持って仕事に取り組む姿勢、理不尽な状況にも屈しないチームに感銘を受けます。自国がまともに機能していないのにも関わらず、気概を持った地元医師、スタッフが随所に出て来ます。

 

海外でインフラに携わる身として置き換えた時、ここまで頻繁に紛争地帯で活動することを望んで踏み込むことができるか。果たして、逃げずに取り組むことができるか考えてしまいました。

自分が、シリアの発電所の復旧に行けと言われたら。イラク発電所に辞令が出たら。

おそらく赴くでしょうが、全身全霊をかけて仕事ができるか。サラリーマンとしてビジネスを主眼としてしまい、ここまで踏み込めないのではないかと思います。

彼女や地元の医師のようにビジネス関係なく、使命感のみで動き真摯に国の問題に取り組む活動。羨ましいです。

 

紛争地の看護師

紛争地の看護師