ポンコツエンジニアの読書記録。

30代のポンコツプラントエンジニアです。読書記録をつけることで、知識の定着を目論んでいます。

#6 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?;サラリーマンに必要な倫理論!?

 

私は美意識が無いと自負しています。絵画を見に行く趣味もないし、楽器も嗜みません。

本書で説いているのは、美術的な美意識から発展して美しい仕事のやり方、考え方とは何かを説いています。では、美意識を鍛える目的とは?

1.倫理的・理性的な情報処理スキルの限界が露呈しつつある。

2.世界中の市場が「自己実現消費」へと向かいつつある。

3.システムの変化にルールの制約が追いついていない状況が発生している。

 

上記の問題が発生していることで、美意識を鍛えているようですが、現在の問題というのが、

経営に関わる人たちの美意識がほとんど問われず、測定可能な指標だけをひたすら伸ばしていく一種のゲームのような状態に落ちいていて、それが継続するコンプライアンス違反の元凶になっています(p221) 

 このコンプライアンスを是正して、システムの変化に対して倫理的に正しい判断をするには美意識を鍛えなければならないとのことです。

この主論点である1,2,3は一見独立しているようですが、見事に同じことを指していました。

ビジネスとして成り立たせるには、需要と供給があります。では、需要を産むには?ということに関して、本書では、「論理的」かつ「理性的」よりも、「直感的」かつ「感性的」である事がヒット商品を生む。そういった感情に訴える商品が自己実現消費を加速させるというのです。ただ、この直感的」かつ「感性的」は独創的であるため、法による規制がしばしば遅れます。ここで製品やサービスが暴走しないためにも、ルールに対してどういった態度、姿勢が美しいのかということでコンプラアンス防止を図る。

従い、論理的に考える数理システム的な決定も重要であるが、美的感覚による判断も同様に必要なわけです。

 

確かに、仕事をしていると、客先からも無理な要求や突然なお願いがあります。

ここで立ち返って、何が美しい姿なのか。それを作るにはこちらとあちらがどう落とし所を作るかが非常に重要になってきます。

目先の利益も大事ですが美的な判断を持って仕事を行うというのは、考えるとどのくらい没頭したか。に依存するのかと思いました。ただただ機械的に処理するだけなら感情を働かせることなく、処理をすればいいだけです。没頭するということは目指すゴールを明確にして未来を描く。この未来が綺麗であればある程美しい姿に近くのかなと思いました。そうやって仕事をしていくことで、どんどん美しいと思われる仕事をしたいです。

ちなみに、美意識を鍛えるには、文学を読む事がいいそうです。論文的な本ばかり読んでいても偏ってしまうという事ですね。というわけで、次は文学を読んでみようと思います。