ポンコツエンジニアの読書記録。

30代のポンコツプラントエンジニアです。読書記録をつけることで、知識の定着を目論んでいます。

#9 料理の四面体;洒落た料理も見方を変えると!

youtubeを見ていたら林先生が論理的思考とはということで"料理の四面体"を紹介して興味を持ち購入してみました。

 

初回は1980年に発行されており、自分よりも年上の本です。

世界中で多様な料理を口にした著者は、各地域の料理をざっくりと説明してくれました。ざっくりと見て記述したような書き方ですが、料理を丹念に確認しているのが随所に読み取れます。

著者は経験豊富な食べ歩きと調理方法の習得でいくつかの国の料理をしっかり因数分解して、共通項を作っていきます。

例えば、揚げるという調理では、

何もつけずに揚げたもの(素揚げ)

粉をつけて揚げたもの(粉揚げ)

粉を含む流動物質をつけて揚げたもの(衣揚げ)

粉を含む流動物質にさらに別の固形物質をつけて揚げたもの(変わり衣揚げ)

と揚げるという行為に何を付随するかというベースで分類しています。

こうして、分類した工程をさらに因数分解すると、

「火」、「空気」、「水」、「油」をベースにすると料理の基本の型が見えてきます。火を頂点とし各々どう作用しているかと考えると、以下。

火に空気の働きが介在してできる料理 = 焼き物

火に水の働きが介在してできる料理 = 煮物

火に油の働きが介在してできる料理 = 揚げ物(炒め物)

確かに、うまく分類できています。火の介在が強い場合は三角錐の頂点付近での調理となり、逆に燻しなどは火と空気ラインの下方に存在します。

論理的思考とうい意味では、因数をしっかり分解して共通項で括ることでしっかりと表現できていると思いました。

また、この本は料理の語源や成り立ちも随所に書かれていますので、気になったらパラパラ読むのもいいかもしれません。

サクッと読めて、料理の見方が変わる本でした。楽しかったです。

 

料理の四面体 (中公文庫)

料理の四面体 (中公文庫)