ポンコツエンジニアの読書記録。

30代のポンコツプラントエンジニアです。読書記録をつけることで、知識の定着を目論んでいます。

#33 となりのイスラム;イスラム圏で仕事しているから先ずは知る!!

読書記録が途絶えて5ヶ月。この間に韓国行ったり、ドイツ、ポーランドと出張したりと海外旅行しまくりで、9月からイラク駐在。

インターネットの環境も悪く、銃撃戦が起こるこの国で、ブログを書くこの瞬間は現実から離れてしまいます。

表題のとなりのイスラム

イスラム圏内に住んでイスラム文化が強い地域で仕事をするということは、この文化、宗教を知る格好の機会です。でも、自分が経験した一面的な部分を全体化してしまうのは非常に世界が狭くなるので、まずは比較対象をということで読んでました。

これで、自分が経験したことと比較、吸収できればいいなって思います。

 

イスラムについて学んだこと。

1.人口:イスラム教徒は15,16億人もいる。けっこういる。

2.宗派:シーア派スンナ派

    少数派がシーア派で多数派がスンナ派

    シーア派ムハンマドの後継者の一人、四代目カリフのアリーとその11人の

    子孫を崇拝する人たち。逆にスンナ派は弟子みんなを崇拝。少数なのに、

    イラン、イラク、シリア、レバノンはこのシーア派で占められている。

3.遅咲き:ユダヤ教キリスト教イスラム教とイスラム教はキリスト教より600年

     後に商人の宗教として産声をあげた!

     三つとも一神教を掲げていて、預言者が違うだけ。キリストだったり、

     アブラハムモーセだったり、そんな中イスラム教はムハンマド預言者

     だった。ムハンマド預言者であって神じゃないみたい。

     神は一人だから、キリストの存在や、モーセも認めるけど、神化してるのが

     気に入らないらしい。あいつ預言者なのに神面しやがってみたいな。

     神が同じだから、名前も似ていて、イブラヒームはアブラハムから取ったり、

     ダウトオウルはダビデの子。ダビットソンだったり。と似たり寄ったり。

4.イスラム教の概要

(1)アッラーに従う。

 イスラム教の絶対的基本は彼らの神様「アッラー」に従うこと。

 どう従うかというと、この世のことすべてを「唯一無二の神アッラー」に委ねる。

 善も悪もすべて丸投げしちゃえっていうのが、基本思想。

だから、、、

 ・儲かっても儲からなくても神の決めたこと。儲かった時は、神に対して貸付という

  形で喜捨する。

 ・試験に受かっても落ちても神が決めたこと。

 ・神の下にある人間は平等。人間同士の間に身分の差はない。人種、民族、出身国

  で線を引かない。

(2)六信五行が基本

 六信:一.アッラー 二. 天使 三.啓典 四.使徒 五.来世 六.定命

 五行:一.信仰告白 二. 礼拝 三.喜捨 四.断食 五.巡礼

信じて行うって結構やること多いなって思いました。

 

一応学んだ事、へーって思った事。

ハラール認証はなくても平気。 

   イスラム教徒の人の判断基準だったので驚き。神が認めたものを食べれて、その判断

 は個人に任せているから得体の知れない所からの承認は承認ではないという考え方。

 正直にこれには何々が含まれていて、こういう食べ物ですっていうのが良いみたい。

 で神様と折り合いつけて食べてね。ってことみたいです。

 自分と神様との落とし所があれば良いのか。

・酒が禁止になった理由。

 信徒同士が酔っ払って、喧嘩になった挙句、ラクダの頭で人を殴ったから。

 で、門弟ウマルがなんとかしてして下さい。ってアッラーに頼んだら、

 「よし!禁酒しよう」ってなったとの事。おいおい。子供じゃないんだから。

 でも、実は酒が大好きなのか、こんな記述も。

 「畏れ身を守る物たちに約束された楽園の喩えは、そこには腐ることのない水の川

  、味の変わることのない乳の川、飲むものに快い酒の川、純粋な蜜の川がある。」

 やっぱり酒の飲みてーんじゃんか!って思っちゃいます。でも、アッラーがいった

 から、死んだら欲望に溺れよう♪なんて思ってるのかも知れません。

・初期のキリスト教の布教拠点はトルコにあって、キリストの布教が西洋化と繋がる。

・血が残っているの肉は食べられない。

 トルコ人シシケバブ焼いてる時、カリッカリに焼いてるのを覚えてます。

 腹壊すからなって思ってましたが、実は血が残っているのを食べちゃいけないみた

 い。ありがとう。トルコ人。このおかげで、お腹壊さなかったよ。

 

ちょっと解せなかった事。

章題に「ほんとは優しいイスラム教徒」って書いてました。

ほんとは優しいって。ヤンキーにあいつほんとは良いやつだよっていってるみ

たいだけど、作者的にはいい奴ららしい。だけど、著者も基本は優しくないけどねって

いう本音が見え隠れしてて、やっぱりヤンキーとヤンキーに近づく一般人の間柄にみえちゃう。

で、この章で書いてあることは、子作りのこととか、基本的には家族で行動し、パーティーもみんな招待が基本姿勢です。といった内容が掲載されています。

これで解せなかったのは基本的に現在のリベラルな思考からは異なっているけど、彼らは、人間に線を引かない。神の下では皆平等という精神でいるんだから優しく、差別なく接していけば決して悪い人たちではないよって書いているように受け取りました。

でも、線を引かないって宗教関係なく基本的な概念として存在しているし、特別イスラム教だからってわけでもない気がします。線を引かないと言いつつ、現在の中東対立は線を引いた結果が今のような状態になっています。

ここで、国家の人民がリベラルな考えを推し進めたら、もっと融和したら変わってたかも知れないですが、頑なにルールのもと行動したため、現在のように宗教が表立って分断の象徴になってしまったのかなって思いました。

そうじゃなければ、こんなにも紛争増えないんじゃないかと。

 

今まで中南米、アジア、中東、ヨーロッパで仕事した経験上、個人的には多国籍で仕事する時は、相手の考えも行動規範もまるっと受け止めて、分かった上で仕事をしてくっていうのがいいんじゃないかなって考えてます。

言い換えれば、俺は俺という超コンサバな考えと、俺は俺だからこう進めるんだっているプログレな考えを崩さず進めてます。

そのためには、個人単位で区切りをつけない。受け入れ受け入れてもらうという姿勢を常に持って真摯に対応してます。そうじゃなきゃ、個人的にも仲良くなれないし。

 

 ということで、今回はイスラムについて学びました。

友達として接するなら気をつけないとなって事を多く学べて、彼らの思想基準が見えた気がします。とりあえず、わからないことは素直に聞いて、折り合いつけるのがいいかな。って思いました。

 

 

となりのイスラム 世界の3人に1人がイスラム教徒になる時代

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