#26 スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家;イケイケベンチャー体験学習。
The news weekの記者がリストラを機にスタートアップ企業に転職する話です。
昔ながらの企業/業界で働いてきた人間が、異業種に飛び込んだらどんな事があるのかを、ブラックユーモア交えて紹介しています。
世間では、ユニコーン企業ともて囃されているイケイケベンチャーの中身を垣間見る事ができました。
ここの登場する、ハブスポットという企業は、キャンディが食べ放題であったり、ビールが飲み放題、上司が会議にテディベアを連れてくる。それを変だと感じない超ポジティブな若者。と全く意味のわからない行動が平然と行われていました。
しかし、経営陣と投資家は非常にシビアです。
利益が出ていなくとも、株価を上げ続けるために夢のような話を広め、いかにも絶好調という印象を投資家に与え続け資金を調達。IPOが完了したらみんな株を売り抜きトンズラと一部の層は確実に利益が出る仕組みになっています。
安月給と少しのアメで酷使される若者と利益を貪る経営層のコントラストが印象的でした。
私のような、明治時代から続く大企業にいると、たまにベンチャー企業が楽しそうに見えます。隣の芝は青く見えるではないですが、キラキラしていて、メディアに出ても華やかですから。でも、この本を読んでキラキラの要因が見えていました。
1.会社のPR。
赤字を出し続けているにも関わらず、”絶好調”を強調し、あたかも明るい未来が待っているかのようなメディア戦略。これに私も心踊りました。また事実投資したくなります。でも会社の業績や業務を読んでるとどうしても投資したくないんですよね。なんかどこも二番煎じというか強みがわからないんです。だから、投資も転職もその会社に踏み込めません。
このちょっと違うな感がこの本を読んで腑に落ちた瞬間でした。上手なメディア戦略なんですね。
うちの会社でこれをやったら、担当者は交代だし日本中から叩かれるでしょう。だから会社はキラキラ感出さないし、堅実な印象を与える会社PRを行うのかなって思いました。
2.個人のイケイケ感。
今までの社会人生活で出会った人の中で、ちゃんと成果出して、優秀な人って結構謙虚だなって思います。 (ここでは、会社のなかで出世しているかは関係なく。)
人の話を小馬鹿にするわけでもなく、しっかり話を聞いて必要な情報と道筋をすぐ提示できる人。この本では出てきてないかな。著者が相談していた相手たちが当てはまるのかと思います。こういう人って、いつまでも向上心があるので謙虚なんですね。でしっかり自分の意見を伝えてくれる。
でも、誇張しないのでキラキラ感はありません。この本で出てくる人たちはyoutubeでもブログ読んでもキラキラ感出すのがうまくて多分一見したら上記の人よりも優秀に見えると思います。これに騙されちゃダメですね。
やはり、真摯に仕事して、しっかり見極めないとダメだなーって思いました。
と、つらつらと書きましたが、キラキラ企業やスタートアップってこうなんだなーって勉強になりました。全く企業文化が違う会社にいる私からしたら、新鮮で面白かったです。