#29 拝金;ホリエモンロールプレイング起業ゲーム
ホリエモンが書いた、ノンフィクションのようなフィクション自伝です。
謎の金持ち「おっさん」がゲーセンに入り浸る「優作」に金持ちになるknow-howを教示していくことで、優作君が金持ちになっていきます。
この本で、勉強になったこと。
1.鳩ボール
冒頭の描写、おっさんが鳩にパンを与えるシーンです。
鳩にパンを一枚そのまま投げ込むと、そのパンにめがけて何匹もの鳩が殺到する。
でも幾重にも鳩が重なっているので、全員に分け前は渡ってきません。それでも鳩はこのパンに夢中です。さらに、この近くに、小さく自分には十分なパンを投げても誰も気づかない。みんな大物にめがけて殺到するだけ。 この小さなパンを得たものが本当は一人勝ちできる方法だとも知らずに。
冒頭からホリエモン視点ですね。IT長者たちはこれができたから勝ちあがれたってことでしょう。
2.仲間たち
優作君はゲーセンに入り浸る、腐れた若者設定ですが、周りにいる人は非常に強力です。携帯ゲームのアイディアを形にしてくれる友人。お金を出してくれるおっさん。
β版ゲームのコメントをくれる女子大生と彼のアイディアが売れる形に仕上がっていきます。こういう仲間たちって本当に重要です。人脈こそ力なり。
本の内容としては、成り上がった優作君がテレビ局や野球チームを買おうとして干されていくところまでが描かれています。これってあのホリエモン事件と同じ描写で描かれています。出てくる人物も有名投資家の名前をもじっていたりとどこまでが本当なんでしょうか。ところどころ出てくる女子アナとの合コン話やモデルとやりとり。
これも隠して書いていたら本人は戦々恐々だよなーって思いました。
サクッと読めてしまうので、ちょっとの時間で楽しめます。
#28 島のエアライン;仕事に情熱を!行政の頑張りに脱帽!
田舎である熊本のさらに田舎に位置する天草に飛行機を飛ばそうとする公務員の話です。
公務員って、杓子定規的な事しかせず、一歩踏み出さず、定時に帰るイメージですが、ここに出てくる人たちは違います。本当に仕事大好き!いや、ミッションこなすの大好き!って人たちでした。やっぱり県庁入れるぐらい優秀な人たちはタフでしっかりしてますね。
バブル崩壊前の誘致の話から一昨年までを上下巻で内容濃く紹介してくれてます。
バブル崩壊や地主との交渉、航空機のパイロット集めまで本当に当事者だったら大変だっただろうなーって内容が随所に現れそれを、愚直に一つ一つ解決してます。決して華やかな描写はありません。だから、初めて飛行機が降り立った時。乗客を乗せた時という一つ一つが綺麗に映るんだと思いました。
この本で、勉強になったことは
1.愚直に諦めず。
たとえ赤字になろうとも、一機しか飛行機がなかろうとも、この飛行機はインフラとして重要な任務を果たすんだ。絶対に飛ばすんだという関係者の強い思いで、山を越えていきます。ちょっと感動しました。Motivation Up させてくれてありがとう。
2.飛行機飛ばす難しさ。
航空免許、許可、機体の管理、予備品の管理、パイロットととんでもなく多くの規格、試験をクリアしていきます。すごい。飛行機の安全性と正確さってこうやって保たれてるんですね。
3.小さい航空会社
小さな航空会社っているのかな?って思ってましたが、医療物資を運んだり、医師を離島へ通勤させてあげたりと確実に生活隔離地域の生活力向上をさせています。
やるじゃん!
とドラマッチックな内容を期待する人は若干飽きてしまいますが、交通や電力といったインフラ系をやっている人なら面白く読めるんじゃないでしょうか。
おしまい。
#27 数学の言葉で世界を見たら 父から娘に贈る数学;インテリお父さんが贈る語学留学
物理学者である著者が、数字の概念から素数や無限の概念まで満遍なく説明してくれている本です。
優しい口調で書かれており、最近読んだ本の中ではダントツで面白かったです。
はじめの方は読んでいるだけでも納得し、スラスラ進みますが後半の微分積分や多次元方程 は紙に計算式を書いてみないとよく分からなくなってしまいます。
この本の思いとしては、日本語と英語のバイリンガルとして育つ事で、物事をより幅広くより深く考える事ができる。そして、数学も言葉の一つとしてトリリンガルとして活躍してほしいと括っています。
数学的な考え方ができる事で、騙されない。妥当な判断ができるようになるということです。
小学校では算数、中学校から数学に触れてきましたが、どの章を読んでもへー。ってなる内容が散りばめられています。
みんなが鍵を持っているのに、秘密を保持したままインターネット上で二者間通信ができる理由は?
ギャンブルはオーナー側が勝つようになっている仕組みは?
気になったら手にとって読んでみよう。
kindleで読みましたが、紙で持っておきたいです。子供に読ませたい!!
数学の言葉で世界を見たら 父から娘に贈る数学 (幻冬舎単行本)
- 作者: 大栗博司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/03/19
- メディア: Kindle版
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#26 スタートアップ・バブル 愚かな投資家と幼稚な起業家;イケイケベンチャー体験学習。
The news weekの記者がリストラを機にスタートアップ企業に転職する話です。
昔ながらの企業/業界で働いてきた人間が、異業種に飛び込んだらどんな事があるのかを、ブラックユーモア交えて紹介しています。
世間では、ユニコーン企業ともて囃されているイケイケベンチャーの中身を垣間見る事ができました。
ここの登場する、ハブスポットという企業は、キャンディが食べ放題であったり、ビールが飲み放題、上司が会議にテディベアを連れてくる。それを変だと感じない超ポジティブな若者。と全く意味のわからない行動が平然と行われていました。
しかし、経営陣と投資家は非常にシビアです。
利益が出ていなくとも、株価を上げ続けるために夢のような話を広め、いかにも絶好調という印象を投資家に与え続け資金を調達。IPOが完了したらみんな株を売り抜きトンズラと一部の層は確実に利益が出る仕組みになっています。
安月給と少しのアメで酷使される若者と利益を貪る経営層のコントラストが印象的でした。
私のような、明治時代から続く大企業にいると、たまにベンチャー企業が楽しそうに見えます。隣の芝は青く見えるではないですが、キラキラしていて、メディアに出ても華やかですから。でも、この本を読んでキラキラの要因が見えていました。
1.会社のPR。
赤字を出し続けているにも関わらず、”絶好調”を強調し、あたかも明るい未来が待っているかのようなメディア戦略。これに私も心踊りました。また事実投資したくなります。でも会社の業績や業務を読んでるとどうしても投資したくないんですよね。なんかどこも二番煎じというか強みがわからないんです。だから、投資も転職もその会社に踏み込めません。
このちょっと違うな感がこの本を読んで腑に落ちた瞬間でした。上手なメディア戦略なんですね。
うちの会社でこれをやったら、担当者は交代だし日本中から叩かれるでしょう。だから会社はキラキラ感出さないし、堅実な印象を与える会社PRを行うのかなって思いました。
2.個人のイケイケ感。
今までの社会人生活で出会った人の中で、ちゃんと成果出して、優秀な人って結構謙虚だなって思います。 (ここでは、会社のなかで出世しているかは関係なく。)
人の話を小馬鹿にするわけでもなく、しっかり話を聞いて必要な情報と道筋をすぐ提示できる人。この本では出てきてないかな。著者が相談していた相手たちが当てはまるのかと思います。こういう人って、いつまでも向上心があるので謙虚なんですね。でしっかり自分の意見を伝えてくれる。
でも、誇張しないのでキラキラ感はありません。この本で出てくる人たちはyoutubeでもブログ読んでもキラキラ感出すのがうまくて多分一見したら上記の人よりも優秀に見えると思います。これに騙されちゃダメですね。
やはり、真摯に仕事して、しっかり見極めないとダメだなーって思いました。
と、つらつらと書きましたが、キラキラ企業やスタートアップってこうなんだなーって勉強になりました。全く企業文化が違う会社にいる私からしたら、新鮮で面白かったです。
#25 いま君に伝えたいお金の話;お金に関して思考停止したサラリーマンへ。
お金のテクニカルな運用の仕方ではなくて、お金の仕組みや本質をわかりやすく書いてくれてます。
大人向けというよりは、中学生向けの本かなって思いました。
この本の中で、村上さんがなぜこんなに投資家として成長したのか。お金に詳しいのかが紹介されています。少ししか触れていませんが、村上さんが仕事をする上で、また投資家を生業とするうえで、軸をおいたの「コーポレート ガバナンス」だったのは意外でした。経営資源などの指標で見ているのかと思っていました。
この本では、紹介されてなかったのでもう一冊詳しく読んでみたいです。
今回、心に残ったところは、 最後にで村上さんがこんな事を書いています。
僕が「小さい頃に投資を経験してほしい」と考えるのは、社会に出てから、自分の生活費の一部をいきなり投資に回すというのは、とてもハードルが高いことだからです。それよりも、生活費の心配をしなくていい間に失敗しても困らないお金を使って、ゆとりを持って楽しく投資に挑戦してもらいたい。中略
みんなが貯金と合わせて資産の一部を当たり前のように「投資」する社会になれば、日本もより豊かになるでしょう。
今まで、稽古事とか部活とか予備校とか、たくさん投資されてきたと思います。でもそれは投資する人がいたからできたきた事で、一人では達成できなかった事です。これは社会も人間も同じだと思っていて、自分が少し辛くても、ちょっとしか余裕がなくてもお金を投資する。社会が成長するのに必要なものを提供するって重要な事だと思います。一人で抱え込んだ結果、個人預金が莫大に膨れ上がり、経済が停滞しています。
より良い社会を望むなら、より良い社会を作ってくれそうな事に少し分け与える思いが必要なのかもしれません。
株、投資と聞いて拒否反応が強い人には一度読んでもらいたい。投資はギャンブルではなく、リスクはあるけど自分にとって良い生活を作ってくれる会社、社会にお金を預けるって事だよと。
子供が文章を読めるようになったら、読ませようと思います。
#24 伝わる・揺さぶる!文章を書く;雑な文書で損しないために。
読書記録をつけ出して、半年が経ちました。
なかなか文書が上達しないなー。と思いながらも、具体的な方法が思い浮かばなくて、文書も鍛えなければ上達しないぞ!とはっぱをかけるためにこの本を手に取りました。
この本を読んでためになったのは、下の三つ。
1.文書を書くときの動機付け。
論点、つまり何を書くかを決めるとき、一番大切なのは自分の動機だ。興味が持てない、書くモチベーションが無い論点は選ばない方がいいのはもちらのだが、単に、おもしろおかしいというだけでは、動機がはっきりしない論点も選ばない方がいい。書くという作業は意外に苦しく、浅薄な動機では持たないからだ。自分にとって切実な問いを選べば、たとえ苦しくても書かずにはいられないし、良い文章になる可能性が高い。
そして、読み手の要求からそれていないか。読み手にとっても興味が持てる問いになっているだろうか。(p1179)
例えば、読書感想文が上手くなりたいと言った動機なら、なぜ読書感想文が上手くなりたいのか。→みんなにブログを読んでもらいたいから。みたいな動機付けをしっかり持って書きなさいという事ですね。ただ、このためには、漠然と本を読むのではなく、何かを得る。それを発信するという動機を持って取り組まないといけません。
2.対象者は??
結果を出す文書を書こうと思ったら、相手との関係は、こっちの「つもり」ではなく、相手から見たときの、あなたとの距離、関係性を基準にすることだ。
今、この文書を読んでいる人との関係性をしっかりイメージする事。このブログベースで考えると、この本に興味あるけど、自分の知りたい、習得したい内容が書かれているかな?って思った人が訪れた場合、しっかり答えを見つける事ができるのかという解釈になると思います。そういう視点で文書を書いていこうと再確認です。
3.伝え方は?
コミュニケーションにおいて、人から見られる自分ではなく、自分が目指す自分にあわせようとして表現を練っていくと、相手との溝をとても大きくしてしまう事がある。つまり書き手のこだわりと、読み手が求めている事が乖離していくのだ。
#23 動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか;人間のバイアスで動物をみると!?
タイトルに惹かれて買ってしまいました。
確かに、人間は動物の一挙手一投足に関係性や違いを見出しますが、本当に彼らを正しく見れているのか?って気になりました。
犬も猫もすごく人間の近くにいるのに、驚くことをしますし、まだまだ未知数です。
この著者、フランス・ドゥ・ヴァールさんは動物に人間上位視点で動物の生態を探る方法を嫌っています。
例えばに人間の子供と類人猿の認知能力のテストは見掛け上一緒だが、一方は親などの親しい人と一緒に実験を行い、もう一方は金網に入れられ緊張感を持つであろう条件で実施されています。この条件では、どちらかが優れているかわからないにも関わらず、類人猿の認知が劣ると結論づける科学者がたくさんいると言っています。
この、外的因子を取り除いた際、我々は動物よりも優れているという状況は正しい評価ではない。確かに、猿のように木に登るのも下手ですし、タコのように擬態化することはできないですね。
人間同士でも同じように生活していても、なんでこの人はできないのだろうか。自分はできるのにという、自分視点の評価で見てしまうと、上記のような結果を下してしまう危険性があります。動物同士でも短所長所を補って生活しているように、私たちも主観的評価から抜け出して、短所長所を補う見方をしないといけないなと改めて思いました。失敗や出来なかったことの背景には、類人猿と子供の実験のような外的因子があったかもしれません。
冷静に、条件の違いを見つけて探る癖をつけようと思います。