#30 日本人の勝算;もやっとしていた生産性と最低賃金
読書記録をwebに公開し出して、ようやく30記事目になりました。
継続は力なりという言葉をポジティブに捉えて、コツコツと記事を積み上げます。
さて、今回読んだこの本。日本人の生産性の低さを多側面から立証。かつ最低賃金を上げることで、人口減少x少子化x資本主義で生き残れることを検討しています。
この本の著者 デービットアトキンソンさんは日本に住んで30年とのこと。かつこの本を執筆するにあたり、 118人の論文やレポートに目を通したそうです。
日本経済向けにしっかりと記述したことがわかります。
著者は一貫して、最低賃金と生産性の向上を訴えています。
この本で勉強になった内容は、
1.デフレ圧力の要因
なんでデフレってなくならないのかな。って思ってましたが、そういう仕組みだったのかと勉強になりました。
・日本ではこれから人口が減るので、学校、美容室、食料品、車、住宅などなど、人間の数に依存するモノとサービスの需要が減ります。
・生き残りのためのもっとも安易な戦略は、価格を下げて他の企業の体力を奪い倒産に追い込むこと。
・通貨量x通貨の取引流通速度=物価x総生産
人が減るとその分成長速度は鈍化しますね。あと、お金を使う人が減るとデフレ圧力が増加します。今の日本は人口の激減と少子高齢化が同時にやってきてます。超恐ろしいです。まだまだデフレは続くのか。。。物価上昇しないと企業の売り上げも上がらないので、結果的に株価も上がらないですね。
これに対してアメリカは人口ボーナスで稼いでいると書いてます。アメリカのインフレに期待して投資し続けた方が勝ち組になる可能性が高いです。
2.日本人の生産性
日本人の生産性は世界28位と低い位置にいます。GDPは世界3位なのになんて身を粉にして働く国民でしょう。まさに時間の無駄遣い。
日本の生産性の低さに著者は中小企業が多すぎることを言及しています。
中小企業が合理化しないかぎり、生産性はあがらないでしょうね。。
3.女性の社会進出
生産性の向上と最低賃金の向上に対して女性の社会進出にも言及していました。
先進国では、女性活躍の課題を一般的に3種類に分けているそうです。知らなかった。
「Glass Ceiling」: 女性が候補に上がってもなかなか役員などの高いレベルに出世できないこと
「Frozen middle」:中間管理職にとどまること
「Sticky Floor」:最低賃金で働いていており、そこから這い上がれないこと。
社会進出論は一般的にGlass Ceilingが焦点とされていますが、残り二つが大多数であり、ここをなんとかしないといけないですね。。。著者に共感。
もっとまとめたいことはいっぱいありましたが、この辺にしておきます。
この人の著者を初めて読みましたが、面白かったです。他のも読んでみようと思います。